私は北海道の生まれですが、実家に帰るとき、新千歳空港から電中に乗って車窓からの景色を眺めるたびに、がっかりするのです。三角屋根や耐雪型の平板な屋根、壁の色もばらばらで、一戸一戸はデザインもそれなりなのですが、景観にまったく統一感がありません。北海道在住のある有名作家に話をうかがったことがありますが、「北海道の街並みの美しさは雪の日の夜」だといっていました。つまり雪と間に覆われたときだけが、美しいという皮肉です。現在、私が住んでいる岩手県の盛岡にしても同様で、新しい団地ほど、景観に統一感がなく、いわゆる「個性的」な住宅ばかりが並んでいます。かえって、昔ながらの古い通りや街並みのほうが景観も整理され、歩いていても落ちつきます。ドイツーニュールンベルグでは、戦災で町の八〇%が破壊されましたが、その復興にさいして、市長はまた元どおりの街並みにすることを決め、行政と一体となった街づくりがすすめられました。ほとんど同じ条件の日本の東京や大阪、その他の大都市はどうでしょう。
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