子ども部屋優先の発想が、住まいにどんな影響を与えるのか、子どもの成長にとって、よい方向へ繋がっていくのか、こうした重要な要素はまったく検討されないまま、横並びの子ども優先社会が続いているような気がします。子ども優先が定着した社会では、親子の関係性は甘えを生み、子ども部屋ばかりでなく、リビングルームやいたるところに、子どものキャラクターグッズや物が置かれてしまう、かつての住まいにあったハレとケの明確な区別は、とうの昔になくなっています。いま子どもが望む理想的な父親像は、「友達のような関係」だそうですが、住まいを支配する限りなき「子ども化」は、子どもが学ぶべき大人の世界や社会性を、住まいの中から失わせる結果になっているように思います。こんな状況を読み、ハウスメーカーをはじめ、分譲デベロッパーは、住まいの女性化、子ども化を演出した商品を提供し、この傾向に拍車をかけています。「家族が共に過ごす場所」という住まいの大前提をしっかりと踏まえるならば、各部屋の優先順位は自ずと明らかで、リビングルームや夫婦の寝室が、住まいづくりの軸となるのは当然でしょう。
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